本郷地区の農地にある立派な碑。このあたりの土地改良事業の完成を記念している。
稲作がメインのほかの地区とは異なり、ここらへんは蕎麦やイモなどの畑作がメインであること、そして区域が桜川市と筑西市にまたがっていることが特徴に挙げられる。
碑文を記す
大地の未来を拓く
桜川市長 中田裕
上野沼北部地区県営畑地帯総合土地改良事業記念之碑
本地区は、国道五十号線より北側の旧岩瀬町西部および旧協和町北部に展開する畑地帯であり、年間降雨量が比較的少なく干ばつの被害を受けやすい地域であった。
また、農道は狭くて曲折が多く、畑地も不整形・小面積であり、さらに、就農者の高齢化や兼農家、後継者不足など農業経営には大変困難な状況下にあった。
このような中、本地区の安定した作物の生産と、農地の集団化や年間を通しての水の受給等、生産体制の基盤を確立しようとする機運が高まり、県や町および関係機関の指導を仰ぎながら会合を重ねた結果、地区内の関係受益者三百二十七名の同意が得られ、昭和六十二年待望の「県営畑地帯総合土地改良事業」として採択を受け、同年着工の運びとなったのである。
事業推進にあたっては、幾多の難問に遭遇し困難を極めたが、役職員の弛まざる努力により総受益面積二百三十九ヘクタールに及ぶ区画整理をはじめ、地区中央部を東西に幹線道路を通し、これと交互する支線道路を配置し道路網を完成させた。また、乾田化を図るための排水路の改善など、その竣工によって近代農業経営の基盤が確立された。さらに、霞ヶ浦用水事業による農業用水を利用した畑地かんがい及びパイプラインの導入を図ることにより、今後の飛躍的発展が期待されている。
ここに本事業の完成にあたり、県並びに市・関係機関のご支援に対し深甚なる敬意と感謝を捧げるとともに、郷土永遠の繁栄を祈念してこの地に碑を建立し、事業の成果を永く後世に伝えんとするものである。
平成十八年三月吉日
上野沼北部地区県営畑地帯総合土地改良事業実施協議会長 中田裕 撰文