原澤院という名前を初めて見たのは市の地区計画図。南飯田の山中にポツンと場所がマークされている。
本当にこんな場所にお堂があるのか気になり、藪漕ぎする覚悟で見に行った。
明らかに参道入口っぽい場所は見つけたが、イノシシを防ぐ柵が設置されていた。到底入れそうにない。断念しかけたが、遠くからでも見えるかもと思い柵に沿って歩いてみることにした。
すると、木々の奥に屋根が見えた。間違いなくあれが原澤院だ。
原澤院は本当に存在し、そして今も建っていた。
しかし場所はイノシシ柵の向こう側。人間界から隔絶され、自然の中で朽ちていくのだろう。