岩瀬町西端に水を湛える上野沼。江戸時代初期(1650年頃)に造られた農業用の溜め池で、大昔は「新池」と呼ばれた時期もあったようだ。
周囲には遊歩道が整備され、場所によっては木道で水性植物や水鳥を間近でみることができる。
湖畔には飲食街やキャンプ場、一時期バラ園や観覧車も建つなど開発が進んでいるほか、上野沼自然環境保全地域として野鳥保護にも役立っている。
設置から長らく農業用溜め池として使用され、ここから丘を掘り抜いて水不足の中泉・長方へ水を引く「逆さ堀」という難工事も乗り越え、地域の農業に貢献してきた。
そんな中、平成7年には霞ヶ浦用水が整備された。これは「霞ヶ浦から筑波山を掘り抜いて水不足の県西地区へ水を引く」というもので、まさにスケールアップした「逆さ堀」といったもの。
霞ヶ浦から送られた水は、ここ上野沼をバッファーとして、ここから岩瀬の西半分へ送られていく。
新たな技術も吸収し、これからも上野沼は岩瀬西部の水瓶で有り続ける。